2012年4月22日日曜日

2つの事例にみるユーザーの共感を得る今どきのCSR活動とは?マクドナルド&ジャックダニエル|【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例


■今号のスゴいPR事例■


アメリカでは、先週の日曜日から「夏時間」がスタートした。

今年は、記録的な「暖かい冬」となったアメリカ。ここ東海岸では、
史上4番目に暖かい冬だったのだそうだ。それゆえに、冬らしい冬を体感
することがほとんどないままに、正式に「サマータイム」に突入してしまった
感がある。

大手小売り店のターゲットなどでは、既に先月半ば頃から、今春・夏向けの
スイムウェアが展開され始め、タンクトップ、ワンピース、Tシャツなどの
春夏向け衣料も、冬の間中影を潜めることなく、売り場の大部分で展開
されていた。


さて、前置きはさておき、今号では、自社の製品やサービスを販売する
ことで、社会に引き起こす功罪への対処、また消費者からの批判や、世の中の
流れの変化にどのように対応することで、ブランド・企業価値を維持し
また高めているのかというテーマに沿って、2つの事例を紹介したい。


1)McDonald's(マクドナルド)


米マクドナルドでは、人々の「健康管理」「ヘルシーな食生活」への関心の
高まりを背景に(また、そうしたことに端を発する、同社を含めたファースト
フードチェーンへの風当たりの強さを背景に)、昨年あたりから積極的に
より「ヘルシー」で「安全」なメニューへの転換を進めてきた。

実は昨夏に同社では、子どもたちの肥満問題への対応などの目的から、同社の
キッズ向け看板メニューである「ハッピーミール」のメニュー刷新を発表し、
昨年秋からアメリカ国内の一部店舗でその展開をスタートさせた。

当時、フライドポテトの量を減らし、フレッシュフルーツ(りんごのスライス)
をセットに盛り込み、飲み物に低脂肪ミルクなどを選択肢として加えるという
内容で展開していたのだが、大々的にそれを広告宣伝などで全国的にPRしている
という感じではなかった。

が、Apple社の新型iPadが発売された3月5日から、同社では初の「新ハッピー
ミール」
の全国規模でのマーケティングキャンペーンの展開をスタートさせた。

またそれに合わせて、これまではオプションとして選択できるようになっていた
フレッシュフルーツ(約11%の購入者がオプションとして選択していた実績)
を、必ずセットメニューに含む形で提供することとし、飲み物は、「脂肪分1%
のミルク」もしくは、「ノンファットのチョコレートミルク」から選ぶ形と
なった。

さらに、全国ネットで新しいTVCMの放映をスタート。

こちらは、子どものアイキャッチとしても有効なアニメーション仕立てになって
いる。



フェリスという名前の男の子と、そのペットである「ヤギ」が登場する
新CM。この「ヤギ」が、実は「constant eating disastrophe=目についたものは
全て食べてしまう」という問題を抱えている設定になっている。


転倒予防

しかし、そんな男の子とヤギが、ゴールデンアーチ(=マクドナルド)の店舗
に行き、新ハッピーミールをオーダーすると、そんな問題が解決されるという
ストーリーなのだ。

※マクドナルド 新ハッピーミールCM(アニメーション)

※マクドナルド 新ハッピーミールCM(大人向け・Noアニメーション)

また、合わせて以前のハッピーミールと新ハッピーミールの栄養価を比較した
数値などを盛り込んだ下記のような告知も展開している。


それによると、ヘルシー志向に改善されたとはいえ、依然として、「フレンチ
フライ、ナゲット、りんごに飲み物」で410キロカロリー(うち、170キロ
カロリーは脂肪分)。同社がハッピーミールにセットの「おもちゃ」をそのまま
セットとしている点と合わせて、まだまだ努力不足との批判もある。


また、同社では今回の新ハッピーミールの全国展開に合わせて、3月5日から
4月18日までの期間、「Happy Meal Chef」コンテストを開催。

これは、子どもたちが家族とともに、家庭での料理の準備から、食卓を囲むまで
の心温まるエピソード、そしてユニークで栄養価の高いメニュー(レシピ)等の
一連の過程を、ビデオ、写真、書式等で投稿するというものだ。

外食産業が、外食を促進するのではなく、「家庭での、フレッシュな材料を用いた、
栄養価の高い食事で、家族のクオリティ時間を創造する」ことを奨励する内容
となっている。

ちなみに、勝者には、ロンドンオリンピック観戦チケット(エアー、ホテル等
含む)などの商品が与えられる。

2)ジャック ダニエル(Jack Daniel's)

アメリカのテネシー州リンチバーグに本社を置く、老舗酒造メーカーの同社。
日本でもおなじみの、同社のテネシー・ウィスキーの代表的な銘柄名とも
なっている。



さて、そんな同社。アルコールの不適切な摂取や過剰摂取、また摂取時(後)
に人々が引き起こすトラブルや犯罪は、これらの予防、抑止を含めて、
酒造メーカーも責任を負うべきとの考えが、アメリカではみられる。

例えば、日本でもそうだが、たばこなどでは「警告表示」が義務化されていて、
しばしばその「過度」な警告表示規制を巡って、業界(企業)との衝突なども
ニュースになっている。

現在、アメリカで市販されているアルコールのボトル等には、下記のような警告
文が記載されている。

Goverment Warning:

(1) According to the Surgeon general, women should not drink alcoholic
beverages during pregnancy because of the risk of birth defects.

(2) Consumption of alcoholic beverages impairs your ability to drive a
car or operate machinery, and may cause health problems.

1989年から法律で定められているこの警告文表示だが、まあ、あえて今更
そんな表示に気を留める、改めて読み直すようなドリンカーは、皆無と
言っても良いだろう。


疲労を避けるために運転

とは言え、消費者への啓蒙活動を継続的に行うのは、酒造メーカーとしての
義務でもあるという認識から、その責任を果たすべく、今回ジャックダニエル社
では、ちょっとユニークな取り組みをスタートさせた。


「Drinking School」

という、ともすると「楽しいお酒の飲み方」や「おいしいカクテルの作り方」
などが学べそうな名前のキャンペーンなのだが、実際の内容はそれとは大きく
異なっている。

アメリカで人気のカントリーバンド「The Zac Brown Band」の2012年の
全米ツアーとタイアップして、消費者に「より責任ある消費」について学んで
もらおうという企画だ。



同名の特設サイトでは、いくつかの「教育的」な動画が公開されており、
これらの動画を閲覧することで、同人気バンドのツアー会場への車での
送迎が当たるキャンペーンに応募できる企画になっている。



また、その一方で、同送迎を引き受けてくれる勇士の募集も行っている。

※Drinking School Website


「喫煙やアルコールの摂取」また、「ジャンクフードの摂取」などは、
あくまでも消費者の「自己責任」で取捨選択、管理されるべきとの考え方も
もちろんあるが、世の中から望まれ、愛されて存続する企業・ブランドで
あるためには、上記のようなCSR(Corporate Social Responsibility)活動
的な要素を含んだ取り組みは、最早必要不可欠とも言える。

マクドナルド社については、以前から、世間や有識者団体等からの様々な
批判もあり、それらを受けて、ついに重い腰を上げたという感も否めない
ことから、今回の対応についても、まだまだ不十分との非難もある。

しかし、ジャック・ダニエルのように、自発的に企業としての社会的責任
を果たそうと、より消費者の興味・関心や参加モチベーションを喚起する
形でユニークな取り組みを行うと、よりポジティブな評価につながっている
ようだ。

■今号のPRの切り口■


1)
「消費者や社会とともに生きる」企業スタンスと取り組みの実行が、
愛される・望まれる企業となるポイント。


2)
「楽しい」「面白い」会社は人を惹きつける。ターゲット世代の
インタレスト(興味)を引く要素をキャンペーンやプロモーションに
取り込んで、PR効果を高める。

■今号の目ウロコ度■

 

  3ウロコ
  
  「Better to be safe than sorry.」

 

  =用心するに越したことはない(転ばぬ先の杖)

■More News and Trends/Editor's Eye■

・消費者が選んだ、アメリカカジュアルレストランチェーンランキング

・世界で最も称賛される企業とは?1位はApple。日本勢ではトヨタが
33位にランクイン


いじめの被害者の権利擁護団体

・ドラッグチェーン大手Walgreensが、Foursquareのチェックインに対応して、
店舗で使えるクーポン券の自動配布を全米でスタート



・ダンキン・ドーナツ>新朝メニューのプロモーションに合わせて、「Like A Boss」
をテーマに、Facebookのプロフィール写真等を自動的に合成したオリジナル
ビデオが作れるFacebookアプリを展開。笑える内容で話題に!



 

■編集後記■

 
 メルマガ読者の皆様、こんにちは。編集担当の秦泉寺です。

 

 メルマガの本文中でも触れたのですが、こちらアメリカは既に春です。
 

 この冬は、いくつかの寒気の到来はあったものの、全体的には、異常とも
 言える暖かさの日が多く、私もほとんどの日を、半袖のTシャツに簡単な
 ジャケットという程度の服装で過ごしました。

 

 おそらく、厚手のコートやセーターなどの冬物衣料、今年は販売が
 ふるわなかったのではないでしょうか。

 

 とは言え、移動=車のアメリカの田舎町では、普段からあまり「着込む」
 ということはありません。
 

 室内や店内は、どこも暖房が利いていて、半袖Tシャツで十分ですし、そもそも
 の服装が、いたってカジュアル&リラックス。
 

 張り切りすぎると、かえって「浮きます」(笑)。

 

 さて、そんな春到来のアメリカ東海岸。先週あたりから、木々が芽吹き、
 花が咲き、そして、「アレルギー物質」の大飛散が始まりました。
 
 杉の花粉症を持つ私ですが、たいていアメリカなどへ行くとその症状が出ず
 楽に過ごせると聞いていたのですが、見事に何かのアレルギーに反応して
 しまいました。

 

 国民皆保険制度ではないアメリカでは、日常、病院との距離が日本に比べると
 かなり「遠い」のです(利用しにくい)。そのため、様々な、かなり効力の
 強い市販薬が販売されており、またTVや雑誌等でもそのCM合戦に遭遇します。 

 

 私が現在利用しているアレルギーの市販薬は、「Claritin」という名前の
 アメリカでもポピュラーかつメジャーなものですが、一日たった1錠で 
 OK。しかも、眠くならないという優れもの。
 
 

 

 来週、日本へ帰国する前に、杉花粉対策として大量購入して帰ります。
 (ご用命の際は、メールをくださいませ(笑))


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